医療法人化シミュレーション

医療法人にすると、
税金と社会保険は年いくら変わる?

個人開業医のまま vs 医療法人化 トータル負担の比較

所得税・住民税・個人事業税(社会保険診療は非課税)・医師国保/国保・国民年金と、法人税等・医療法人の事業税・理事報酬の税金・厚生年金+医師国保/協会けんぽを、同じ医業利益で比べます(令和8年の税制・料率/福岡県の料率を初期値)

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条件を入力

1. 診療所の数字(年間)

人件費・家賃・医薬品・減価償却など。院長・配偶者への給与と、院長家族の社会保険料は含めないでください。
社会保険診療 5,000万円以下かつ医業収入 7,000万円以下のときだけ使えます。

2. 個人開業医のまま

初期値は福岡県医師国保 甲種(40〜64歳)本人45,700円+家族1人18,200円の月額×12。組合・年度で異なります。
法人化後の理事長にも同じ額を引いています。

3. 医療法人化した場合

配偶者が理事として実際に働いている場合だけ。0なら支給なし(国民年金は第3号等として計上しません)。
顧問料の増加分・登記など。設立費用は含めていません。
詳細設定(税率・料率)

医業利益の行き先

手元に残るお金(世帯+法人)税金社会保険料

比較表(年間)

理事長の報酬を変えると

配偶者の報酬・その他の条件は上の入力のまま。理事長の報酬だけを変えた場合です。

数字に出ないメリット・デメリット

医療法人のメリット

退職金を受け取れる
理事長に役員退職金を払え、受け取る側は退職所得(2分の1課税など)。個人開業医には退職金がありません。
生命保険を法人で契約できる
保険料を法人の経費にできる場合があり、退職金の準備にも使えます(商品・契約内容により扱いが異なります)。
分院を開設できる
医療法人は複数の診療所を開設できます。個人では院長が管理者になれる診療所は原則1か所です。
事業承継がしやすい
理事長の交代で診療所を引き継げます。持分なし法人なので、出資持分に相続税がかかる問題がありません。
所得を分けられる
理事長・配偶者の報酬と法人の所得に分かれ、高い税率がかかる部分が減ります。

医療法人のデメリット

剰余金の配当ができない
医療法第54条。法人にたまった利益は、報酬か退職金でしか受け取れません。
持分なし法人になる
新しく作る医療法人は出資持分がありません。解散したときの残余財産は国・自治体等に帰属し、個人には戻りません。
設立に時間と手間がかかる
都道府県の認可が必要。福岡県は申請の受付が年2回で、準備から設立まで半年以上かかります。やめるのにも認可が要ります。
毎年の届出・登記
事業報告書等の届出、資産総額の変更登記など、個人にはない事務が増えます。
交際費に枠がある
個人は業務に必要な分を経費にできますが、法人は年800万円まで(中小法人の定額控除)などの制限があります。
厚生年金・報酬のルール
厚生年金に必ず加入(保険料は法人負担分も含めて増える)。報酬は毎月同額が原則で、期中の増額は経費になりません。

ご利用上の注意

  • この試算は概算です。実行の際は税理士にご相談ください。実際の判断には決算書の中身を見た試算が必要です。
  • 同じ医業利益で、1年分の税金・社会保険料を比べています。社会保険料は法人負担分も含めて比べています(院長が法人のオーナーなので、実質的にはご自身の負担です)。
  • 「法人に残るお金」は配当で受け取れません。将来の退職金などで受け取る前提のお金です。
  • 消費税、事業税・法人事業税の翌年の経費算入、設立費用、個人の資産・借入の引継ぎ、医療法人の措置法67条(概算経費)は計算に入れていません。
  • 医師国保を続けるには、法人化の日から原則14日以内に年金事務所へ「健康保険被保険者適用除外承認申請」が必要です。遅れると協会けんぽに加入します。

計算の前提

  • 所得税:令和8年分。給与所得控除は最低74万円(220万円以下)・上限195万円、基礎控除は合計所得489万円以下104万円/655万円以下67万円/2,350万円以下62万円/2,500万円超0円。速算表+復興特別所得税2.1%。国税庁No.1410 / No.1199 / No.2260
  • 住民税:所得割10%+均等割(福岡県・福岡市 5,500円)。基礎控除43万円、給与所得控除の最低額65万円。調整控除は省略。
  • 措置法26条:社会保険診療5,000万円以下かつ医業収入7,000万円以下。2,500万円以下72%/3,000万円以下70%/4,000万円以下62%/5,000万円以下57%の段階計算。自費分の経費は収入割合で按分(調整率は省略)。青色申告特別控除65万円は自費部分の所得から。租税特別措置法26条 / 国税庁 決算書の書き方(医師及び歯科医師用)
  • 個人事業税:医業5%・事業主控除290万円。社会保険診療に係る所得は非課税のため、所得×自費の収入割合を課税対象とし、青色申告特別控除は引きません(福岡県「個人の事業税」)。
  • 法人税:中小法人(出資のない法人を含む)年800万円以下15%・超23.2%、地方法人税10.3%、防衛特別法人税(令和8年4月1日以後開始事業年度)=(法人税額−500万円)×4%。国税庁No.5759 / 防衛特別法人税
  • 医療法人の事業税:特別法人として年400万円以下3.5%・超4.9%、特別法人事業税は所得割額の34.5%。社会保険診療の収入は益金不算入・対応経費は損金不算入(地方税法72条の23②)のため、法人所得×自費の収入割合を課税対象としています。千葉県 医療法人等の事業税 / 京都府 税率表
  • 法人住民税:法人税割7.0%(標準)、均等割71,000円(福岡県・福岡市の最低区分の想定)。
  • 社会保険:協会けんぽ福岡支部 令和8年度 健康保険10.11%・介護1.62%・子ども子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%(標準報酬月額の上限65万円)、拠出金0.36%。国民年金 月17,920円。協会けんぽ 福岡支部 保険料額表 / 日本年金機構 国民年金保険料
  • 医師国保:定額。法人化後も同じ額のまま続く前提(理事長が世帯分を負担)。適用除外承認は 日本年金機構「国民健康保険組合の加入手続き」
  • 医療法:剰余金の配当禁止(第54条)。